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特別講演

特別講演


ドローンによる空の産業革命と近未来社会

Professor Kenzo Nonami
 

■講師 千葉大学 特別教授 野波 健蔵 氏

■日時 9月4日(金) 16:30~17:30

■会場 1号館2階 丹羽ホール

■講演概要
 2010年にフランス・パロット社から発売されたスマートフォンで制御できる玩具のARドローンが、現在のドローンブームに火をつけたと言われている。2013年頃から中国・DJI社がホビー用ファントムシリーズをリリースし始めて一気に世界はドローン旋風に巻き込まれた。こうしたホビー用ドローンは主に空撮を楽しむことが目的で、世界で既に200万機近く販売されているとも言われている。こうしたホビー用ドローンの多くは優れた自律飛行性能を有しているために、これまで誰も見たことのない「驚きの動画」を世界中で競い合って撮影してYouTubeなどにアップされている。一方で墜落事故も多発しており、法整備が技術の進歩に追いついていない状況にある昨今である。そして、2015年はホビー用から産業用に大きく舵が切られる「ドローン元年」とも言われ、インフラ点検・測量・警備・災害対応など様々な分野での利活用が予想以上の速さで急拡大していると同時に、需要に応えるべくドローンベンチャー企業も急拡大・急成長している。こうした中で欧米はやや先行してドローン運用の法整備を進めているが、日本も航空法改正や省令の具体案策定を異例の速さで整えつつある。こうしたドローン運用法体系が確立されればドローンの安全性・信頼性・耐久性も当然ながらメーカ責任として要求されることになるため、ドローン自体の技術革新も加速することが期待される。こうした高性能ドローンの登場でドローンビジネスは着実に進化していくことになり、物流をはじめとする様々な産業が革新的に変化して、ライフスタイルに大きなイノベーションをもたらす可能性を秘めていると言える。まさに「空の産業革命」が現実味を帯びてきて、最後のフロンティアである地上300mの超低空空間は高度に利用される近未来社会が到来することも夢ではなくなる。本特別講演ではドローンの現状技術と利活用から将来の技術展望、そして、空の産業革命と近未来社会について展望する。