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特別講演

演  題

「ロボット学100年の計」

講  師

      

      油田 信一 氏
      (芝浦工業大学 工学部 電気工学科 教授(特任))

講演要旨

 今から30年前にロボット学会の設立が当時の工技院機械技術研究所(現産総研)の中野栄二氏(現在千葉工業大学)によって提唱され,ロボット学会が活動を開始した.その後,既に30年間が経ち,社会や工学技術の研究を取り巻く環境は随分変わった.しかし,人間の本性がちっとも変わらないのと同様に,ロボットの研究の方向や中心的課題もあまり変わっていないようにも思われる.当時も今も,「人間を参考にして,人間のような役立つ機械を作りたい」という研究者の思いは共通である.
 一方,今までの30年間を振り返ることで今後のもっと長い期間を考えることも可能かも知れない.今後,ロボット学がどうなっていくのか,どうしていくべきかは,今から50年後,100年後の社会がどうなっているかによって決まるだろう.したがって,今やるべきことは,社会をどのようにして行くのが良いかを考え,ロボット研究者としてそれにどのように貢献できるかを考えることである.幸いにして,ロボット技術は社会との接点が多く,それなりに直接的に社会に貢献することができるし,また「ロボット技術」を通じて社会の将来を見通すこともやりやすい状況にある.
 ロボット学には,単にまわりの技術的・社会的環境の変化に追いついて行くのではなく,今後のあるべき社会を見通し,それに有用な「技術」提供し,そして,それを牽引していくことが求められている.

日  時

2012年 9月19日(水)

会  場

札幌コンベンションセンター  特別会議場