シンポジウム「原子力ロボットの記録と提言の最終報告会」
場所/日時
2013年9月6日(金)13:00-15:30
1号館 講演室X
聴衆
一般公開
オーガナイザ
川村 貞夫(立命館大学),大道 武生(名城大学)
対象
公開セッション(誰でも聴講可能)
セッション概要
2011年3月11日,我々は未曽有の災害を体験した.本災害に対して,人間の対応策が有効に働いた場合もあった.しかし,多くの場合では圧倒的な自然の力に対して,我々の対応策が十分に機能しなかった.特に,福島原子力発電事故に対して,多くの人々がロボットの利用を思い浮かべたに違いない.人間に代わって,人間にはできない仕事,人間には過酷な仕事を行うことがロボットの役割である.しかし,残念ながらこの原発事故の状況に完全に対応できるロボットは無かった.また,利用できる組織的・人的状況にもなかったことが次第に一般の人にも理解されるようになった.
学術団体として財団法人日本ロボット学会は,ロボットの科学者と技術者の集団として,ロボットの実社会での利用に関して,大きな責任を負っていると考える.今次の原発事故への今後のロボット利用について,さらに今後世界中のどこかで起こり得る原発事故へのロボットによる対応に有用となる情報をまとめることは,原発事故当事国のロボットの科学・技術者の責務と思われる.そこで@世界の原発事故に対応するロボットの過去の事例,A今次の日本の原発事故に関するロボットとその運用方法,B将来の原発対応ロボットの技術開発や組織構成などに関する提言をまとめた.本報告は,今後の原発事故対応ロボットの開発方法および運用組織編制に有益な情報を提供できると期待したい.
2011年原発事故当時のロボットの科学と技術の担当当事者として,その実体の記録を残すことが重要であるとの判断から,有効に機能した技術や政策のみならず,負の経験に相当する事実も含まれている.歴史は語り部により,内容が異なる危険性を有している.その意味では,本報告の内容も,ロボットの科学者・技術者からの視点に偏向している可能性を有している.本報告書は,そのような傾向を認識した上で,今後の日本のロボットの科学と技術に役立つことを祈念してまとめたものである.
セッションでは,その骨子を報告するとともに,これからの原子力ロボットが広く社会に貢献すべきいくつかの提言を紹介する.そして,セッションの討議を踏まえて最終報告書作成に資する.
プログラム
タイトル:原子力ロボットの記録と提言/最終報告会
−ロボット技術は社会にどう貢献すべきか−
1. 活動趣旨と経緯
・13:00-13:05 挨拶,分科会設立趣旨立命館大学 川村 貞夫
・13:05-13:10活動経緯 名城大学 大道 武生
2. 原子力ロボットの歴史
司会 日本原子力開発機構 川妻 伸二
・13:10-13:40 原子力ロボットの貢献と課題 工学院大学 中山 良一
(休憩 5分 13:40-13:50)
3. パネル討論
司会 神戸大学横小路 奏義
・13:50-14:00 福島原発の教訓 東京大学淺間 一
・14:00-14:10 原子力ロボットの学術的貢献 東京大学 中村 仁彦
・14:10-14:25 原子力ロボットの未来への提言 東京大学 佐藤 知正
・14:25-15:15 パネル討論
・15:15-15:30 関連連絡事項等
問い合わせ先
名城大学 大道 武生 (E-mail:oomichi@meijo-u.ac.jp)