OS ロボット基礎講座(チュートリアル)

日時

2013年9月4日(水) 10:00〜12:00

会場

1号館 講演室A

オーガナイザ

松日楽 信人(芝浦工業大学),吉見 卓(芝浦工業大学)

概要

これからロボットを勉強しようという学生や研究・開発者,あるいは再度、勉強したいという方々を対象にした講座です.今回は,産業用ロボットの動向を把握した上で,ロボット創造,ロボットの制御についての基礎的な講演を以下のように企画いたしました.

プログラム

(1) 産業用ロボットからサービスロボットへの展開
横山 和彦((株)安川電機 つくば研究所長)
講演要旨: 我が国のロボット技術が世界でもトップと言われて久しい.実際,産業用ロボットメーカーは世界でトップシェアを誇っており,二足歩行ロボットを制御する高度な技術でも常に最先端を走っている.しかし,産業用ロボットの数倍の市場が期待されているサービスロボットでは,家庭用掃除ロボットが実績を出しているものの,まだ市場規模は小さく,新規参入企業を含めたロボットメーカーは市場を広げるアプリケーションの創出に苦戦している状況である.本講演では,黎明期ともいえるサービスロボット市場への産業用ロボットメーカーの取り組を紹介する.
(2) ロボット創造学基礎
広瀬 茂男((株)ハイボット取締役, 東京工業大学名誉教授, 立命館大学客員教授)
講演要旨: ロボットは人造人間を理想として作られた造語だが,人に役立つロボットを作るには何も人間の形に拘る必要はない.目的を達成するロボットの実現は通常とても難しく,目的とする達成機能と諸々の制約条件を十分吟味し,我々が活用できる機械系,電気系,コンピュータ系の特性を最大限生かすような形態を選択することによって,はじめて可能になる場合がほとんどである.本講演では,講演者がこれまで行ってきた,ヘビロボット,4 足歩行ロボット,ハイブリッド型ロボット,惑星探査ロボット,そして原発事故対策用ロボットなどの数多くのロボット技術の開発事例を紹介しながら,これらのロボット開発に不可欠な創造的な思考の展開法を整理する.
(3) ロボット制御学基礎
大須賀 公一(大阪大学教授)
講演要旨: ロボットを動かそうとすると「制御」が必要になる.そのときの制御戦略には(もしもあえて分けるとすると)2つある.一つは「キッチリと制御する」事を目指す戦略と「フワっと制御する」事を目指す戦略である.生き物の制御はどちらかというと後者が主要だが,ロボットは人工物であるが故に両方分け隔てなく有って良い.この2つは制御工学の言葉で表現すると「モデルベースト制御」と「ダイナミクスベースト制御」と呼ぶことができ,どちらが良くてどちらが悪いというようなものでは無い.本講演では,ロボットにおける制御について上の2つの観点を軸に考察することで,ロボット制御学の基礎について講義する.

以上,講師の先生方のこれまでのご経験を元にした,大変興味深く,かつ,モチベーション向上につながるお話が聞けると思いますので,奮ってご参加ください.