第37回日本ロボット学会学術講演会

特別講演

新たな挑戦,小惑星探査機「はやぶさ2」のAI・ロボット技術

講師
JAXA宇宙科学研究所
教授 久保田 孝 氏

日時
決定次第,掲載します

会場
決定次第,掲載します


特別講演抄録
 2019年2月22日,小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「Ryugu」に見事タッチダウンに成功し,サンプル採取を行った.その後,人工クレータの生成にも成功している.昨年には,小惑星探査ロボット「ミネルバ2」の分離にも成功し,小惑星表面の移動探査を世界で初めて成功した.ドイツ・フランスで開発したロボットランダ「MASCOT」の分離にも成功し,「はやぶさ2」探査機は,数多くのミッションに成功し,今年末には小惑星を出発し,来年地球に戻ってくる. 宇宙には,たくさんの謎がある.その謎を解明するために,宇宙に人工衛星や探査機を打ち上げて,時には大きな望遠鏡を打ち上げて,遥かなたの宇宙を観測し,あるいはさまざまな惑星を訪れている.我々の住む地球,そして太陽系がどのようにできて,今後どうなっていくのかを知るために.
 小惑星や彗星などの小天体は,小さいが故にすぐに冷えて固まったため,宇宙のはじまりの情報をそのまま残していると期待されている.そのため,太陽系内の小天体探査ミッションが盛んに推進されている.STARDUSTミッション(1999年2月打上げ)では,彗星Wild2に接近してその塵を集め,地球に持ち帰った.2002年に打上げたNASAのDeep Impactミッションでは,2005年7月にテンプル1彗星のフライバイ時に高速弾丸を打ち込んで,その時の発光などを調べて彗星の性質を調べた. 2003年に打ち上げた日本の「はやぶさ」ミッションでは,いくつかのトラブルが生じたが,地球に微小なサンプルを持ち帰ることに成功した.現在,日本の「はやぶさ2」ミッションとNASAのOSIRIS-Rexミッションが遂行中であり,他の宇宙機関も小天体探査を計画している.
 本講演では,小惑星探査機「はやぶさ2」のミッション概要を紹介する.特に,「はやぶさ2」探査機の開発を通じて得られた人工知能をはじめ,最先端のロボット技術について概説するとともに,困難を乗り超えるために必要なプロジェクトのマネジメントについても触れる.さらに,今後の月惑星探査の展望について紹介する.